おりものというものは、生理がある女性には必ずあるものなので、おりものがあったからと言ってすべて病気ということはありません。

しかし、おりものには、正常なものと病気のサインとなっているものがありますので、おりものがあったときはまめにチェックをして、自分の健康管理に役立てることができます。

そもそもどのようなときにおりものが出るのでしょうか。

また、その役割はあるのでしょうか。おりものでわかる病気や量が多いとき、またおりものがあったときはどうするべきなのでしょう。

おりものってどういう時にでるの

おりものは女性ホルモンの変化によって臭いや状態が変わります。

生理前後や排卵前後、黄体期と呼ばれる生理2週間前の高温期に主に発生しますが、一番自分でおりものを実感しやすいのは、排卵前後です。

排卵前後は、量が多く透明や白い色をしていて粘りがあるためです。

排卵が起こりますから、このようなおりものが出ることによって、受精を促そうとしているのです。

黄体期はに入ると、おりものの量は減りますが、見た目は排卵前後と同じように少し粘りのある白っぽいものになります。

生理前はまた量が増え始め、少し酸っぱいような臭いもすることがあります。生理終了後は、さらさらとしたおりものになり臭いもほとんどありません。

このように、いろいろな状態のおりものがありますが、個人差があり、人によっては排卵日でもおりものがあまりなかったり、量が少なくて気づかない場合もあります。

女性にとっておりものは、頻繁にでていてもおかしくはないものです。

おりものが多い原因はどんなものがあるの?

おりもののの量が多いと病気の心配をしていますが、病気ではなくても量が多くなることはあります。

初潮を迎えて間もない10代のころは、まだ女性ホルモンが安定していませんので、突然おりものが多くなったり少なくなったりすることがあります。

20代になると、安定してきて、増えたり減ったりを繰り返すということもなくなってきますが、20代は一番おりものの量が多くなる年代でもあります。

子宮が良く機能しているサインです。

30代後半から閉経にかけては、年々女性ホルモンが減ると同時におりものの量も減少していきます。

また、妊娠すると、特に妊娠初期はおりものの量が増えます。

女性ホルモンの量が増えるので、それに伴いおりものも増えるのです。

このときは、透明な白っぽい粘りのあるものや水のようなさらさらした状態のものになります。

妊娠後期になると、さらに増えるようになり、赤ちゃんが通りやすいように産道を潤すのです。

その他に、疲れやストレス、風邪をひいて高熱を出したりすると、ホルモンのバランスが崩れ、おりものの量が増えたり逆に減ったりします。

大きなショックをうけたり環境が変わったりすると生理が止まることや早まることがあり、周期が変化することもありますが、それとともにおりものにも変化が出てくるのです。

これも個人差があり、そのときによっても違いがありますが、おりものは、女性ホルモンの働きと密接な関係があるのです。

量が多くなっても、一時的だったり、それまでとは違う臭いや状態でなければ年齢や体調によって変化するものなので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。

おりものが多い時はどんな病気の可能性があるの?

では、病気の可能性がある、特に量が多くなる病気のおりものとはどのようなものなのでしょうか。

カンジタ膣炎

白く濁りがあり、カッテージチーズや豆腐のようなボソボソとしたおりものが大量にあるときは、カンジタ膣炎が疑われます。

外陰部のかゆみや性交痛といった症状もあります。

体調を崩したときや生理前後など、免疫力が低下したときに感染しやすい病気です。

真菌というカビの一種で、抗真菌剤を使用して治療しますが、軽度なら自然治癒することもある、感染する方が多い病気です。

トリコモナス膣炎

黄色や黄緑色で泡立ったようなおりものが大量にでるときは、トリコモナス膣炎が疑われます。

魚なのような生臭い臭いがあり、外陰部のかゆみや痛みも伴います。

下着やタオル、トイレや浴室などでも感染することがあります。

微生物が寄生することで起こり、抗生物質で治療します。潜伏期間があり、この間は自覚症状がありませんので、陰部を常に清潔に保つなど注意が必要です。

性器クラミジア感染症

黄緑色の水っぽいおりものが出る場合は性器クラミジア感染症が疑われます。

こちらもおりものの量が多く、発熱や下腹部痛を伴うこともありますが、自覚症状がないこともあります。

日本ではもっとも感染症が多い性感染症と言われていて、他の病気も併発することがありますが、抗生物質を使用して治療できます。

淋菌感染症

黄色いおりもので、膿状のものが大量に出る場合は淋菌感染症の可能性があります。

生臭い悪臭や粘り気があり、不正出血も伴うことがあります。

細菌の一種である淋菌に感染することで起こる病気で、こちら抗生物質での治療になりますが、再度感染することがありますので、医師の診察を受けて正しい知識を身に着けることが大切です。

おりものが多い時に気をつけることは?

おりものは、病気ではなくても増えることはありますが、より自分でもしっかり判断するためには、一度基礎体温をつけて、生理周期やもともとおりものが増える排卵期がいつなのかを把握することも大切です。

大体、3か月続けてグラフにしてつけるようにすると、正確にわかるようになります。

基礎体温は妊娠のためだけでなく、女性の体の健康を知る参考になりますから、いざというとき、婦人科にかかるときも便利ですので、定期的に年に何度かでもつけるようにすると良いでしょう。

おりものが多くなってしまったときは、量だけでなく臭いや状態もよく確認しましょう。

おりものが増えるまえに風邪をひいて熱を出したりしなかったか、不正出血や腹痛などがないかも注意して、悩むときには、病気の場合、タオルからでも他の人に感染してしまうことがありますから、早めに婦人科を受診しましょう。

おりものが多いと、おりものシートを使用する方もいますが、おりものシートは長期間使用すると、通気性が悪くなるため症状が悪化することもあります。

使用するときは、まめに取り替えて、長引くときは、やはり、早めに病院を受診しましょう。

そして、おりものが気になるからと言って、陰部の洗いすぎにも注意が必要です。

おりものにはもともと病気の感染を予防する効果もありますので、石鹸などでゴシゴシ洗いすぎてしまいますと、より病気に感染しやすくなり、自浄作用が落ちてしまいます。気になるときは、通気性の良い下着をつけて、陰部が蒸れないようにするなどの工夫をしましょう。

おりものが出ると下着が汚れて不快な気分になりますし、病気なのではと不安になったりもしますが、健康な大人の女性には自然な現象であり、体を守るものでもあります。

とても大切で必要なものでもありますので、健康のバロメーターとして常にチェックをして、神経質になる必要まではありませんが、いつもと違うおりものが出たときは、早めに病院に行ったり、健康診断も受けるようにしましょう。

婦人科は、受診したことがない方にとっては、恥ずかしく感じることもあるかと思いますが、女性の健康には大切な診療科なので、妊娠出産以外にも積極的に安心して利用するようにしましょう。