初潮を迎えてから閉経するまでの間は女性であれば誰しもが生理になるのですが、この生理の臭いを気にする方は非常に多く、デリケートな問題だけに相談もしにくくなっています。

その為、色々と悪い想像をしてしまう方もいらっしゃいますが、基本的に生理は臭いがするものであり、それが直接的な危険を知らせるサインであるケースはほとんどないです。

ただ、100パーセント安心と言うわけでもありませんので、生理の臭いが気になる際には自分の体調などを含めて、総合的な判断をする事が大切だと言われています。

生理が臭いのは病気なの?

まず、生理が臭い事を病気ではないかと疑う方がいらっしゃいますが、基本的には生理の臭いは誰でもするようになっており、その強さなどは人それぞれですが完全に無臭と言う方はいないと言えます。

そもそも経血自体は無臭ではありますが、経血の中に含まれる不要になった子宮内膜や酵素などは栄養が豊富で、その栄養を目当てに集まった雑菌が臭いを発生させているのです。

したがって、もちろん個人差はあるのですが誰でも臭いは感じるようになっており、生理が臭いというだけでは病気の可能性は非常に低いとされています。

ただし、ある日を境に急激に臭くなった場合には何らかの病気の可能性が高くなり、膣の病気であれば細菌性膣炎やカンジダ膣炎、性感染症であればトリコモナス膣炎にクラミジアや淋病の可能性がありますし、子宮の病気の場合は子宮頸がんや子宮内膜炎の可能性が高いです。

その為、ある時急に生理が臭いと感じた場合には、一刻も早く産婦人科で医師の診察を受ける事が大切になり、自己判断してしまうと大きな問題へと発展してしまう事も十分に考えられます。

生理が臭い時の原因って何?

実は健康な女性でも生理の臭いというのは変化するものになっていて、それは劇的な変化ではありませんが、何だかいつもよりも臭う気がするといった程度であれば感じている女性は多いとされています。

これは上記の雑菌以外が臭いの原因になっている事が理由で、基本的に人間の体から出る悪臭は雑菌が原因である事が多いですが、生理の場合は他にもいくつかの原因があるのです。

まず、経血が酸化してしまうと言う点ですが、血液と言う物は空気に触れるとドンドン酸化していくという特徴がありますので、生理の場合でも時間が経てば酸化が進み臭いが発生するようになります。

次にアポクリン汗腺の活性化もポイントになっており、生理中はホルモンバランスが崩れやすいのでアポクリン汗腺が異常なほど活発に働くことがありますので、生理の臭いが強くなるのです。

というのも、アポクリン汗腺から排出される汗には脂質やタンパク質が含まれていますので雑菌が繫殖しやすく、わきがなどの原因とも言われる汗である事から、アポクリン汗腺が活性化している場合は臭いが強くなります。

そして、普段から肉を多く食べるような方も加速度的に生理の臭いが強くなると言われており、動物性タンパク質はアンモニアといった刺激臭が出やすくなりますし。動物性脂質は皮脂の酸化臭の元です。

また、肉類を食べること自体が汗腺を刺激しますので汗の量が増え、特に女性のデリケートゾーンは元々蒸れやすいのですが、それがより強くなり生理の臭いが悪化するとされています。

さらに、最近の生理用品には経血を素早く吸収する為に高分子吸収剤が使われているのですが、実はこの高分子吸収剤や石油系の原料が臭いの元になる事があり、経血と化学反応を起こす事で悪臭が発生する事もあるのです。

なお、生理の終わりかけの時期は最も臭う時期だとも言われており、これは生理用品を取り替える頻度が落ちる事や経血が排出されにくくなる事が原因ですので、生理の終わりかけの時期は特に注意が必要だとされています。

生理が臭い時の対策方法は?

生理の臭い対策として最もオススメできるのはとにかく清潔に保つ事になるとされ、生理用品をこまめに取り換える事はもちろんですが、その時にキチンとデリケートゾーンも拭く事が大切になります。

例えば生理用品はトイレで交換する事が多いですが、この時にウエットティッシュで拭き取ったりウォシュレットで洗い流してしまうという方法もありますので、比較的実践する事は簡単です。

ただ、市販されているウエットティッシュの多くは除菌などの意味でアルコールが含まれていますので、赤ちゃん用の低刺激な物を選ぶなどの工夫がポイントになります。

また、ウォシュレットの場合もキチンとノズルを洗浄してから使った方が良いですし、ビデ機能で膣内まで洗ってしまうのは膣内の菌バランスを崩してしまう危険性が高いです。

次に入浴時にできる対策として挙げられるのは、デリケートゾーンは優しく洗うと言う物になり、そもそもデリケートゾーンは文字通り非常にデリケートな部分になっています。

したがって、ボディタオルなどで強くこすってしまったり、体用のボディーソープで洗ってしまうと菌バランスの乱れや爪で切ったりなど、思わぬトラブルが発生する事がありますので、デリケートゾーン専用の石鹼などで可能な限り優しく洗う事が大事です。

なお、入浴時にデリケートを洗う場合にも膣内まで洗ってはいけないとされており、この場合は臭いの悪化を招くうえに膣炎などの病気を引き起こしかねませんので、どうしても洗いたい場合は医療用の膣洗浄剤などを利用した方が良いと言われています。

そして、経血が酸化する事で臭いを発生させるのであれば、空気に触れさせない事も有効な手段となりますので、タンポンも臭いを抑える方法として挙げられ、通気性を考えると布ナプキンも有効性の高い選択です。

また、日本ではほとんど知名度はありませんが、シリコンなどでできた小さなカップを膣内に入れそこに経血を溜めるという月経カップもあり、この月経カップも空気に触れさせないという点では優れています。

ただ、慣れるまでは使いにくいとも言われており、酸化臭や雑菌臭が出るのを防止する効果や化学反応による臭いも出ない事は大きなメリットですが、馴染みの薄さや使い勝手などは問題点です。

さらに、通気性の良い下着やボトムスを選ぶというのも臭い対策の大きなポイントになっており、一般的には厚手のボトムスなどで臭いが漏れないようにしている方が多いのですが、実はこの様な対策は逆効果になっているとされています。

というのも、厚手の洋服や体にピッタリとフィットした服は蒸れやすくなる原因で、生理の臭いと蒸れやすさは比例関係にある事から、臭いが漏れないようにする事は逆に臭いを強くすると言えるのです。

したがって、通気性の良い下着と服装を心がける事が有効な対策となり、できれば下着はコットン素材を選び方ボトムスもスカートなど、風通しの良いものを選んだ方が良いと言われています。

なお、アンダーヘアを整えてしまうのも生理の臭い対策になっており、アンダーヘアが長いままだったり量が多かったりすると、アンダーヘアに経血が付着しやすいです。

そうなってしまうと、そこで雑菌が繫殖しやすくなりますし、アンダーヘアがある事によって蒸れやすくもなる事から、短めに切り揃えておくか思い切って全処理してしまうのも悪くはない選択になります。

また、衣類用の消臭グッズも生理の臭いを軽減させるには有効で、定期的に消臭グッズを洋服使えばなかなか着替えられないような場面でも臭いを軽減できるのです。